経産省の資料「物流危機とフィジカルインターネット」
昨年の10月に作成された経済産業省の物流に関する資料。
物流に関して、危機だ!という声を聞くことがあると思います。
けれど、一体何が危機なの?と思う方も少なくない…
そこで、難しい部分もロジカイギメンバーが要点をわかりやすく解説します!
出典:経済産業省ウェブサイト
物流コストインフレ〜バブル期超え過去最高〜
ズバリ、宅配便の配送料だけが異様に上がっているということ。
出典:経済産業省ウェブサイト
配送料高騰とEC化率との密接な関係
EC化率が延びるとともに、トラックの積載効率が低下している。
ズバリ、空のトラックが走っているということ。
もう少し詳しく説明すると…
ECが普及することで、個人宅に届ける荷物が急増しているが、それに供給側 (運送会社側) が追いついていない。
さらに、現在トラックの中の荷物の量は4割を切っている。
逆に言うと、トラックの6割ほどが空の状態で荷物を運んでおり、効率が悪い。
これが、トラックの積載効率の低下。
出典:経済産業省ウェブサイト
物流コストインフレの要因はドライバー不足
そもそも、運ぶ人=ドライバーが不足していて、2027年には27万人不足し、2030年には物流需要の約36%が運べなくなると試算されている。
さらに、ドライバーの平均年齢も上がってきている。
実は、日本全体で見ると、運ぶ荷物の量 (重さ) は増えていない。
けれど、EC化により個人宅への荷物が増えていき、荷物がどんどん小さく、細かくなっている。
当然、供給サイドでは、積み下ろしや時間帯指定など、運ぶ以前の段階でも業務が増えている。
出典:経済産業省ウェブサイト
これが、2024年問題!
これまで、ドライバーに対する労働時間や賃金の規制は、他の職種と異なり先延ばしにされてきた。
それが、2023年にはドライバーの時間外割増賃金が25%→50%に引き上げられる。
残業がしづらくなり、賃金は高くなる。
2024年には労働時間が制限されることにより、一層物流コストが高くなることが予想されている。
ただでさえ、配送料に頭を抱えているEC事業者は多いが、2024年を機にさらなる配送料値上げが迫ってきている。
ただ、現状この2024年問題を深刻に捉えているのは運送会社側が多く、EC事業者側はあまり深刻に捉えていないようにも見える。
出典:経済産業省ウェブサイト
EC事業者の皆さん!2024年問題は他人事ではないです!
本来、EC化により需要が伸びると、それに合わせて供給も伸び、ドライバーの賃金は上がっていかなければならない。
けれど、現状は賃金が上がらない…。
他の産業に比べて、長時間労働が2割多く、賃金は2割低いと言われており、なり手もなかなかいない。
けれど、運んでほしいモノは増えている…
この需要と供給の差はどんどん開いていくので、破綻してしまう。
Amazonのような大手企業以外は、モノを運んで欲しい場合、これまでのように当たり前に運んでもらえなくなり、高い配送料を払う必要が出てくる。
そんな未来が目前にもかかわらず、いまだに配送料を安くしてほしいと言うところもある。
配送料が今より100円、150円…上がっても大丈夫ですか?
自社の配送料を削減することだけでなく、供給側の効率化のために自社ができることを考えることも重要です。
今、近い未来の準備をしてもしなくても、この未来はやってきます。
是非とも、今のうちから準備をしてください!
出典:経済産業省ウェブサイト
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