コンサル雑談

【2022年最新版】日本のEC化率プロが解説〜分野ごとの格差や世界との比較も〜

そもそもEC化率とは

すべての商取引額の中で、インターネットを通じた商取引の市場規模が占める割合を示すもの。

 

2020年の電子商取引に関する市場調査の結果

毎年発表される経済産業省による調査結果をもとに解説。

 

画像① BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)

 

画像② BtoC-ECの市場規模及び各分野の伸長率

 

画像①BtoC-EC市場規模の経年推移について

BtoCのEC市場がずっと伸びてきたけれど、2019年から2020年にかけては減少したことがわかる。

どこが減少しているのか?

その内訳が画像②に…

物販系分野は当然ながら伸びている。

サービス系分野が減少している。

 

サービス系分野とは?

インターネットを通じて、旅行の予約を取ったり、チケットを購入したり

レストランを予約するなどの分野のこと。

「旅行サービス」が大きな割合を占めている。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、旅行サービス、飲食サービス

チケット販売の市場規模が大きく縮小した。

 

 

画像③ 物販系分野のBtoC-EC市場規模

 

画像③物販系分野のBtoC-EC市場規模について

EC化の大きな数字に一旦戻ろう。

2019年10兆円→2020年12兆円で、EC化は伸びて8%台だと言う。

けれど、これはそのまま捉えていい数字か?

実はちょっと怖い数字。

画像③の通り、各カテゴリーによって数字のバラつきが大きい。

自分たちが扱っている、携わっているものが何かによって数字を見ていかないといけない。

日本のEC化率は8%だから!良い悪いとは言えない。

一昔前のように、まだ8%だからどんどん伸びていくというわけではないことがわかる。

書籍、映像、音楽ソフトのカテゴリーであれば、もう過当競争に入っている。

 

EC化率が高い上位3位

 

1位 書籍、映像、音楽ソフト(オンラインコンテンツを除く)EC化率42.97%

 

2位 生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 EC化率 37.45%

 

3位 生活雑貨、家具、インテリア EC化率 26.03%

 

EC化率が低い下位3位

 

8位 自動車、自動二輪車、パーツ等 EC化率3.23%

 

7位 食品、飲料、酒類 EC化率3.31%

 

6位 化粧品、医薬品 EC化率6.72%

 

海外との市場の違い

  • 世界 17.8% (13.8%)
  • 中国 42.4% (34.1%)
  • 英国 37.5% (21.8%)
  • 米国 14.0% (11.0%)
  • 日本 8.08% (6.76%)

 

世界レベルで伸びていることがわかる。

日本と国土面積が同じくらいと言われている英国でも37.5%。

 

英国のEC化率37.5%の数字の実情は?

英国では日本のように配送網が発達しておらず脆弱。

けれども、EC化率が高い。

その理由が、クリック&コレクトの利用者の多さ。

セキュリティー面から、自宅への配送でなく、クリック&コレクトを利用している人も多い。

日本は、受け取り方法も多様化している、かつ配送網が発達しているため

わざわざリアル店舗に取りに行く必要があまりない。

数字だけで判断せず、国によって見方を変える必要がある。

 

クリック&コレクトとは

ECサイトで商品を購入し、リアル店舗や宅配ボックス

ドライブスルーなどの自宅以外の場所で商品を受け取る仕組みのこと。

 

リアル店舗とECを分けて見ている企業は置いていかれる?

消費者は、リアル店舗・ECなどと分けて考えず

何かしらの方法でインターネットを利用して商取引をしている。

企業側は、リアル店舗とECを分けて考えているところがまだまだ多い。

ずっと言われ続けていることだが、リアル店舗とECを分けずに一緒に考えないといけない。

そして、購入方法〜受取方法まで、なんでもOKな状態にしないと

市場に置いていかれるようになるだろう。

ここでまた、カテゴリー別に考える

カテゴリーごとの扱っている商材によって

ECでスペックがわかりやすい、わかりにくいという差もある。

消費者の心理はその商材によって異なるだろう。

 

EC業界という言い方と数字の見方

繰り返しになるが、ECとリアル店舗を一緒に考えないといけない。

現役コンサルタントでも、EC業界という言葉をつい使ってしまうけれど…

EC業界という概念ではない。

そういう意味では、全体で見ないといけない。

けれど、EC化率のようなざっくりとした数字に関しては

各業種業態ごとに数字が全く異なるため、部分的に深堀りして見ないといけない。

 

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