そもそもEC化率とは
すべての商取引額の中で、インターネットを通じた商取引の市場規模が占める割合を示すもの。
2020年の電子商取引に関する市場調査の結果
毎年発表される経済産業省による調査結果をもとに解説。
画像① BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)
画像② BtoC-ECの市場規模及び各分野の伸長率
画像①BtoC-EC市場規模の経年推移について
BtoCのEC市場がずっと伸びてきたけれど、2019年から2020年にかけては減少したことがわかる。
どこが減少しているのか?
その内訳が画像②に…
物販系分野は当然ながら伸びている。
サービス系分野が減少している。
サービス系分野とは?
インターネットを通じて、旅行の予約を取ったり、チケットを購入したり
レストランを予約するなどの分野のこと。
「旅行サービス」が大きな割合を占めている。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、旅行サービス、飲食サービス
チケット販売の市場規模が大きく縮小した。
画像③ 物販系分野のBtoC-EC市場規模
画像③物販系分野のBtoC-EC市場規模について
EC化の大きな数字に一旦戻ろう。
2019年10兆円→2020年12兆円で、EC化は伸びて8%台だと言う。
けれど、これはそのまま捉えていい数字か?
実はちょっと怖い数字。
画像③の通り、各カテゴリーによって数字のバラつきが大きい。
自分たちが扱っている、携わっているものが何かによって数字を見ていかないといけない。
日本のEC化率は8%だから!良い悪いとは言えない。
一昔前のように、まだ8%だからどんどん伸びていくというわけではないことがわかる。
書籍、映像、音楽ソフトのカテゴリーであれば、もう過当競争に入っている。
EC化率が高い上位3位
1位 書籍、映像、音楽ソフト(オンラインコンテンツを除く)EC化率42.97%
2位 生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 EC化率 37.45%
3位 生活雑貨、家具、インテリア EC化率 26.03%
EC化率が低い下位3位
8位 自動車、自動二輪車、パーツ等 EC化率3.23%
7位 食品、飲料、酒類 EC化率3.31%
6位 化粧品、医薬品 EC化率6.72%
海外との市場の違い
- 世界 17.8% (13.8%)
- 中国 42.4% (34.1%)
- 英国 37.5% (21.8%)
- 米国 14.0% (11.0%)
- 日本 8.08% (6.76%)
世界レベルで伸びていることがわかる。
日本と国土面積が同じくらいと言われている英国でも37.5%。
英国のEC化率37.5%の数字の実情は?
英国では日本のように配送網が発達しておらず脆弱。
けれども、EC化率が高い。
その理由が、クリック&コレクトの利用者の多さ。
セキュリティー面から、自宅への配送でなく、クリック&コレクトを利用している人も多い。
日本は、受け取り方法も多様化している、かつ配送網が発達しているため
わざわざリアル店舗に取りに行く必要があまりない。
数字だけで判断せず、国によって見方を変える必要がある。
クリック&コレクトとは
ECサイトで商品を購入し、リアル店舗や宅配ボックス
ドライブスルーなどの自宅以外の場所で商品を受け取る仕組みのこと。
リアル店舗とECを分けて見ている企業は置いていかれる?
消費者は、リアル店舗・ECなどと分けて考えず
何かしらの方法でインターネットを利用して商取引をしている。
企業側は、リアル店舗とECを分けて考えているところがまだまだ多い。
ずっと言われ続けていることだが、リアル店舗とECを分けずに一緒に考えないといけない。
そして、購入方法〜受取方法まで、なんでもOKな状態にしないと
市場に置いていかれるようになるだろう。
ここでまた、カテゴリー別に考える
カテゴリーごとの扱っている商材によって
ECでスペックがわかりやすい、わかりにくいという差もある。
消費者の心理はその商材によって異なるだろう。
EC業界という言い方と数字の見方
繰り返しになるが、ECとリアル店舗を一緒に考えないといけない。
現役コンサルタントでも、EC業界という言葉をつい使ってしまうけれど…
EC業界という概念ではない。
そういう意味では、全体で見ないといけない。
けれど、EC化率のようなざっくりとした数字に関しては
各業種業態ごとに数字が全く異なるため、部分的に深堀りして見ないといけない。
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