はじめに今回は、前回の物流改善事例に続き、「物流改善のダメな事例」をテーマに、現場でよく見られる改善が進まないケースとその原因、そしてより良い改善のためのヒントを熱く語りました。物流改善ダメなあるある?小橋: 皆さん、こんにちは!ロジカイギの小橋です。前回の動画では物流改善の成功事例についてお話ししましたが、今回は「せっかく改善に取り組んでいるのに、なかなか効果が出ない」という、物流現場でよくある課題について深掘りしていきたいと思います。伊藤さん、長井さん、よろしくお願いいたします。伊藤: よろしくお願いします!改善って、やっているつもりでも空回りすること、ありますよね。今日の話で、その原因が少しでも見えてくると嬉しいです。長井: ええ、現場が頑張っているのに結果に繋がらないのは、非常にもったいないですからね。しっかりと原因を探っていきましょう。物流改善がうまくいかない理由小橋: 早速ですが、改善しているのに効果が出ないケースには、大きく分けて2つのパターンがあると思っています。 1つは*「やり方に問題がある」ケース。もう1つは、それぞれの部署はそれなりに生産性が高いものの、物流費全体が下がらないといった「マネジメントに問題がある」ケースです。伊藤: なるほど、現場レベルの頑張りと、組織全体の成果にギャップがあるということですね。小橋: そうなんです。まず「やり方に問題がある」ケースでよくお話しするのが、「木こりのジレンマ」という例え話です。 一生懸命木を切っているきこりが、汗だくで息を切らしている。でも、その斧の刃はボロボロ。旅人が「斧を研いだ方が良いのでは?」と声をかけても、「木を切るのに忙しくてそんな暇はない」と答えてしまう。これって、物流現場でもよくある話だと思うんです。目の前の作業に追われて、もっと楽に効率化できるはずなのに、立ち止まって見直しや改善をする時間がない。みんな忙しいのは事実なんですけど、もしかしたらそれは錆びた斧で木を切っているようなものかもしれません。長井: 確かに、忙しさを理由に根本的な改善を怠ってしまうのは良くないですよね。少し立ち止まって、やり方を見直す時間を作ることは非常に重要だと思います。伊藤: まさに、「忙しい」という言葉が思考停止の呪文になっているケースってありますよね。第三者の視点から見ると、もっと効率的な方法が見つかることもあるはずです。小橋: そして、もう一つの「マネジメントに問題がある」ケースですが、以前PDCAの話をさせていただいたので、今回は軽く触れたいと思います。うまくいっていない現場、いわゆる*「CA型」*の現場では、PDCAがあってもとりあえずやってみて、問題が起きたらやり直すという、場当たり的な対応になりがちです。計画や指示も曖昧なまま部下に丸投げで、「とりあえずこれやっておけ」といった指示になりがちです。そして、マネージャーは普段あまり関心を示さず、問題が起きた時だけ「俺がやらなきゃ」と介入する。長井: CA型、耳が痛い管理者の方もいるかもしれませんね。計画性がなく、その場しのぎの対応になってしまうと、どうしても非効率が生じやすいですよね。伊藤: 対照的に、うまく回っている「PD型」の現場では、事前にしっかりと計画を立て、その計画に基づいてPDCAを回しています。 計画を事前に現場に落とし込み、現場スタッフに任せながら、何か問題が起きてもリカバリーできる体制が整っています。 現場マネージャーはいつも冷静で、次のアクションを常に冷静に判断している。小橋: まさにその通りで、CA型の現場は事前の予定がなく、なんとなくいつも通りに始まり、目の前の仕事をこなすだけで終わってしまう。常にバタバタしていて、時間通りに終わらないことが多い。そして、現場マネージャーだけが忙しく、具体的な改善指示もない。 多くの現場が、正直CA型に陥っていると僕は思っています。伊藤: 目指すべきはPD型ですよね。事前に計画が明確になっていて、当日の仕事内容が把握できている。 誰がいつまでに何をするかという目標が明確になっているので、働くスタッフも何をすべきか理解でき、計画通りに進むことが多い。遅れが生じても、みんなでリカバリーできる能力も高い。長井: PD型にするための例えとして、小橋さんが紹介されていた「ナビなし運転」の話が非常に分かりやすかったですね。小橋: はい。皆さんの現場にナビは入っていますか?ナビとは、「目的地(何をいつまでにしなければならないかという計画)」、「ルート(業務フローや手順書)」、「スピード(生産性の目標値)」のことです。車を運転する時にはナビがあって当たり前なのに、物流の現場ではこれらの要素が曖昧なまま進んでいるケースが少なくありません。会社として、マネジメントとして、現場がこのナビを持っているか?目的地は明確か?ルートは整備されているか?スピードの目標値はあるか?といった視点でチェックすることで、物流改善は比較的進みやすくなるのではないでしょうか。まとめ:計画を共有する小橋: 今回は、物流改善が進まないダメな事例として、「やり方の問題」と「マネジメントの問題」の2つの視点からお話ししました。現場の頑張りは素晴らしいものですが、時には立ち止まって「錆びた斧」になっていないか見直すこと、そして場当たり的な「CA型」の運用から、計画的な「PD型」の運用へとシフトしていくことの重要性をご理解いただけたかと思います。「目的地・ルート・スピード」というナビの考え方を現場に導入することも、効果的な改善を進める上で非常に有効です。伊藤: 役員の方々は仕組み化の重要性を理解していることが多い一方で、物流管理者の立場になると、現場への管理を躊躇してしまうケースもあるという長井さんの指摘も印象的でしたね。管理は支配ではなく、計画を共有し、みんなで目標達成に向けて協力していくことが重要だと改めて認識しました。長井: そうですね。定量化や計画に基づいたマネジメントは、決して現場を縛り付けるものではなく、むしろ作業者が安心して効率的に働ける環境を作ることに繋がるはずです。3さいごに今回のロジカイギはいかがでしたでしょうか? 物流改善は一朝一夕には達成できませんが、現状を正しく理解し、一つ一つの課題に丁寧に向き合っていくことが重要です。もし今回の内容が少しでも参考になったと感じていただけたら、ぜひチャンネル登録やコメントをお願いします。次回のロジカイギもお楽しみに!物流改善, ダメな事例, 現場改善, マネジメント, PDCA, CA, きこりのジレンマ, 目的, ルート, スピード, 生産性, 計画, 指示, 改善指示, 業務フロー, 手順書, ロジカイギ今回の動画【管理者向け】物流倉庫の業務改善② ダメな事例%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2Fg7KD2bvjfnQ%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E